コーギー犬カフェ

 

先月のハロウィンの日に、後輩が唐突に「福岡で開催される嵐の展覧会にヤケクソで応募したら当選してしまった、チケットは1枚なので自分しか入れないが道中が寂しいので福岡まで着いて来たらどうか」と、わたしに対する慮りゼロの提案をしてきた

えっお前…そのイベントの間のわたしの事を考えたりしてみた……?とは思ったが、いや待てよ福岡には確かコーギー犬カフェがあったな…と考え、とりあえず暇なので同行する事にした

わたしは生きとし生けるものの中でウェルシュコーギー・ペンブロークを1番「良い」としているのだ


今日はそのコーギー犬カフェのレポをしていきたいと思う


 

まず最初に衝撃的な事実なのだが、福岡県にコーギー犬カフェなんてものはなかった

長崎県だった

どこで目にした情報だったか覚えていないのだがまあ恐らくツイッターなどで「九州にある!」とチラ見したのだろう

わたしは九州全てを統合し福岡として脳内に保存していたらしい

「福岡 コーギー犬カフェ」でなにもヒットせず福岡に行く理由がなくなった事に気付いたのは後輩がホテルや飛行機を手配した後だった

MEは何しに福岡へ…?

 

悔しいので長崎まで行くことにした

わたしは運転免許取得と就活以外の行動力には定評のある女なのだ

 

後輩が予約したホテルの最寄りからコーギー犬カフェのある場所まで、新幹線と電車と徒歩で3時間程である

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いや遠っ


往復6時間に加え学生時代の1ヶ月の定期代より高い交通費がかかるが、コーギー犬に会う為なら安いものだろう

事前に予約できないか連絡をしてみたところ、予約制ではない上に土日はかなり混むことが予想されるとの事だったので、開店1時間前には着くように5時起きが決定した

 

何故ここまでコーギー犬にこだわるのかを先に説明しておくと、見た目が完璧過ぎるという理由以外に小さい頃から飼っていて死ぬほど溺愛していた実家の愛犬がウェルシュコーギーペンブロークだったというのがある

5年前の12月に死んでしまったが、未だに月に数回は必ず夢に出てくるくらいわたしの潜在意識を侵食している可愛い奴だ

その後から現在進行形で何匹か犬は飼っているが、初代飼い犬のコーギーに勝る者はいなかった

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どれほど溺愛していたのかというと、外で「服になんか犬の毛ついてるよ」と言われて「あっみーちゃん(愛犬)の毛だ!ムシャムシャ!!」とその場で食って友人を失いかけた事があるくらいだ

 

11月下旬の来たるその日、本人ら不在の嵐の展覧会の為だけに千葉からやって来た女と、コーギー犬カフェの為にここから更に乗り継いで長崎まで行く埼玉の女、計2人の狂人(くるんちゅ)が福岡の土地へ降り立った

観光もせず長浜屋のラーメンだけ食べてまっすぐホテルへ戻る

いつも朝寝てるから眠れる気がしないよ〜😭と寝る直前まで騒いでいたが、いざベッドに入ると即寝た

 

当日は7時半の特急に乗り、そこから電車を乗り継いでコーギー犬カフェの最寄りである長崎県川棚駅まで向かう

川棚駅は二両編成の電車しか来ないタイプの小さな駅で、改札もなかった

駅員は見当たらず、切符はこちらへお入れくださいと小さなポストがあるだけだった、あれで成り立つのか…?

駅前にはタクシーが何台かあったが、早く着きすぎた気がしてきたので30分ほど歩いて向かう事にした

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海が綺麗だ

 

折角なので死んだ愛犬プレイリストを流しながら歩いた

わたしは昔から恋愛ソングを愛犬ソングだと思って聴くキモい傾向にあるのだ

愛犬が死んでからは失恋ソングがめっぽう染みるようになったが、宇多田ヒカル真夏の通り雨などはもう本当に秀逸だ

 

 

”夢の途中で目を覚まし 瞼閉じても戻れない

さっきまで鮮明だった世界 もう幻”

 

ウッ😭😭みーちゃん……(愛犬)

 

”ずっと止まない、止まない雨に

ずっと癒えない、癒えない渇き

ずっと止まない、止まない雨に

ずっと癒えない、癒えない渇き……”

 

ウワーーーーー!!!!😭😭😭😭😭

 

 

足が疲れてくる

何故10センチヒールのブーツを履いてきたのだろうか

ヒッチハイクでもしようかと本気で悩み始めた時、ついに看板が見えた

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コレヤ!!!!!!!!

 

 

急な斜面をエッサホイサと登った先のフェンスの中に、沢山のコーギー犬がいた

 

コーギー犬が、いたのだ

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足が震えて息が出来なくなる

コーギー犬、いっぱいおる!!!!

 

掃除をしているおじさんに聞くと、まだ早いけど掃除が終わったら入っても良いよとの事だったので30分程近くで海を眺めて時間を潰した

混雑を危惧して早めに来たが、早すぎたようでわたししかいなかった

 

海を眺めながら落ち着こうと姉に連絡する

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その前の会話は気にしないで欲しい

 

11時10分前にもう入っても良いと言われたので、フェンスを開けてついに中に入る

 

 

ガシャン

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ワッ

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ドワワワ

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視界がコーギーでいっぱいになった

360度どこを見てもコーギーで溢れてる

目測ではあるが20匹以上はいたように思う

こんな天国が本当にあったのか、、!!

 

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とにかくみんな吠えまくって短い足で地面を蹴り、おしりを惜しみなくプリプリ振りながら走り回っている

生き物として非の打ち所がない

完璧すぎる出で立ちだ

 

ほとんどの子は人に慣れているのか、勢い良く近寄った後に軽く匂いだけ嗅いでスルーされる

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塩対応も可愛い!!!!!!

 

人懐っこい子はしゃがんでいるこちらの横をドシン!と陣取って、撫でろと顎で催促してくる

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傲慢さが可愛い!!!!!!!!

 

 

さっきまで真夏の通り雨が静かにループしていたわたしの脳内は一瞬にしてウルフルズのバンザーーイ!!君に会えてよかった!!このままずっと!!ずっと!!死ぬまでハッピーーー!!!!に支配される

 

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ここにはこの世の「全て」があった

全てが充足していた

 

 

感動のあまりしばらく声が出なかったが、やっと出たコーギー犬に対する第一声が「あなた…」だった

何…?

もしそのコーギーに日本語が通じていたならかなり怖かったと思う

 

しばらく外でコーギーを撫でたり愛でたり嗅いだり眺めたりしていたが、混む前に席だけ確保しちゃってくださいと言われたので中のカフェスペースへ行く

 

カフェ内でもいたるところにコーギー犬が落ちていた

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生きててくれてありがとう……

 

 

開店から数分後には車が続々とやって来て、飼ってるコーギー犬を連れてくる人なども多かった

敷地内にコーギー犬がどんどん増える

このままでは世界のバランスが崩れてしまうのでは…!?と不安になるくらいのコーギー犬達がここに集まった

これが愛・地球博……と思った

 

客層としてはコーギーを連れてきた人達が1番多く、その他にも家族連れ、カップルが何組かという感じで、予想はしていたが犬も連れずに一人で来ている人間はわたしだけだった

一番乗りで30分以上前から来て1人涙ぐみながら脇目も振らずコーギー犬を愛でていたのでかなり気色悪かったと思う

 

メニューを頼み、またコーギー犬を愛でる為外に出る

フラッフィー(毛足の長いコーギーの種類)を連れた方がいた

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死んだ愛犬もフラッフィーだったのでフラッフィーに対しては格段に愛が深い

フサフサと長い毛をなびかせながら走り回るフラッフィーの荘厳な出で立ちは人々の心を狂わせる美しさだが、短い足が絶妙なギャップを生み出していて可愛さも忘れていない

ここにもし滝沢カレンがいたら「まるで、自分はライオンだ!とでも言いたげな風貌ですが、如何せん脚が短いので、どうしても、ふふっ、滑稽の域を超えません」とでも実況していただろう

 

フラッフィーが近付いてきたので、ここぞとばかりにコーギー犬ナデナデテクニックを披露する

わたしの手は14年に渡る愛犬みーちゃんへの撫で回しのお陰で、コーギー犬の掻いて欲しい場所を適切な力と動きで刺激する技に長けているのだf:id:tintinfoi:20201128053227p:plain

ずっと誰の元にも着かなかったフラッフィーちゃんがわたしの膝元にぴったり座り込んで気持ち良さそうに足を動かしている

わたしの手はこの為にあったんだ、と理解した

それまでツムツムランドで高得点を狙う為の右手だと思っていた

 

頼んでいたトルコライスができたというのでカフェ内に戻る

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正直食べ物にそこまで期待していなかったのだが(とても失礼)、これがめちゃくちゃに美味しい

柔らかいお肉も味の付いたごはんも頭から食べられるエビフライもクリーミーなスープも、添えてあるサラダに至るまで全てが本当に美味しい

カフェ内が犬の獣臭で溢れていることなんて気にならない美味しさだ

それに加えて椅子の下には太っちょのコーギー犬が人目を気にせずくつろいでいる

ユートピアってここの事だったんや…と感動した

 

せっかくなので追加で長崎名物であるというミルクセーキも頼んだ

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こちらもめちゃくちゃに美味しかった

地元の潰れそうなタピオカ屋はこれをメニューに入れた方がいい

 

残念ながらそろそろタイムアップだ、嵐の展示会から後輩が帰ってくる3時間前にはここを出なければならない

何故ならここは長崎で集合は福岡だから……

 

 

ミルクセーキに舌づつみを打ちながらタクシーを呼ぶ

待っている間もコーギー犬を愛でていた

 

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お会計の時もスタッフの方はとても丁寧で、「混んでてゆっくりできなかったでしょう、すみませんね、また是非来てくださいね」と声をかけてくれた

接客まで完璧とは何事だ

もうほんと絶対にまた行く

 

外は雨が降っていた

雨に濡れていてもコーギー犬は滞りなく可愛くて偉い

全身犬の毛だらけで頭の先まで獣臭プンプンだったので、死ぬほど申し訳なさそうな顔でタクシーに乗り込んでおいた

出発しても振り返って最後までコーギー犬を目に焼き付ける

コーギー犬を創造してくれた神よ、大地よ、宇宙の全てよ、ありがとう、ありがとう、、

 

 

その後無事に特急を乗り継いで福岡に戻り、わたしより1時間以上早く帰ってきてホテルで昼寝をしていた後輩に詫びを入れシャワーを浴びて服も着替えた

この頃にはコーギー犬に塗れたという満足感よりも、「みーちゃん(死んだ愛犬)に会いたい😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭」という悲しみが勝っていてシャワーを浴びながら少し泣いたしその後浴びるように酒を飲んだ

そして飲みすぎて記憶を飛ばして次の日の飛行機内のトイレで限界まで吐きまくり、CAさんにハーブの飴詰め合わせをいただく羽目になる

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記念品

 

東京に戻って帰宅しても夜まで吐き気と頭痛は続き、生死の境をさ迷ったわたしはもう二度と酒を飲まないと心に誓ったのだ

この誓いを立てるのは人生で380回目くらいだが今回は本当なのだ

本当に飲まないのだ

こんな苦しい思いをしてまで酒を飲む意味って何?絶対だし汁とかを飲んでた方がいいやろ

人間は愚かなのだ

 

酒は最低だがコーギー犬カフェは本当に最高だった

今度はコーギーが好きな友達も誘って行ってみたい

難点としてめちゃくちゃに遠いのと、カフェ内の獣臭がかなり濃くて食欲が失せる人がいるかもしれないという点がある

顔の側面にうんこがベッタリ付いたコーギー犬が椅子の下で寝ている環境でご飯を食べる事になるので、そこが大丈夫な人は是非今度一緒にお願いします

 

まあごはんなんてどうでもいいな!

コーギー犬さえいればなにもかも大丈夫!

せ〜の!

ハッピーハッピーイエ〜〜〜イ!!

(このピュージャガのネタがわかる方は連絡下さい)

 

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おしまい